矯正歯科(歯列矯正)とは
見た目の美しさだけでなく健康も目指す
矯正歯科(歯列矯正)とは、でこぼこな前歯、出っ歯や受け口など「不正咬合」と呼ばれる歯並びや噛み合わせを、患者様のお口の状態に合った矯正装置を使用して矯正していく治療です。歯並びがキレイになると笑顔がとても魅力的になるため、歯列矯正というと美的なメリットが主に注目されますが、実はそれ以上に健康面での多くのメリットがあります。
歯並びが整うとしっかり噛むことができるため、食事を美味しく堪能できるだけでなく、胃腸への負担も減らすことができます。また、歯並びが整うことで、歯の隅々まで磨くことができるようになるため、虫歯や歯周病のリスクを軽減することができます。そして何より、美しく健康的な歯になることでコンプレックスが解消され、人前で自信を持って話すことができたり、思いっきり笑うことができるようになります。このように心身が健康的になることは、人生において非常に大きな財産となります。
あなたのこれからの毎日をより豊かな人生にするために、矯正歯科(歯列矯正)を始めてみませんか?
矯正の時期
歯列矯正治療は第一段階の混合歯列期(乳歯と永久歯の交換期)の矯正治療と、第二段階の永久歯列期(永久歯)の矯正治療に分けることができます。
永久歯列期の歯列矯正
永久歯列期の歯列矯正は、永久歯の全てに矯正装置を装着してキレイな歯並びにする「永久歯の矯正治療」です。
歯を動かす方法は、ブラケットという装置にワイヤーを通す「マルチブラケット法」や、装置が見えないように歯の裏側に装着する「マルチリンガルブラケット法」や、透明なマウスピースを装着する「マウスピース矯正」などから選択していただけます。
混合歯列期の歯列矯正
永久歯列期の歯列矯正は歯並びを整えることはできますが、アゴの前後の位置は手術をしなければ治すことは困難です。
しかし、アゴの成長時期である混合歯列期であれば、骨格の不正を改善することが可能です。
例えば、上顎は10歳頃まで前方へ成長するため、「出っ歯気味」であれば上顎が前に出ないよう後方へ牽引したり、「受け口」であれば上顎を前に引っ張るなどの処置で改善することができます。
また、歯並びが凸凹してしまう原因は、アゴと歯の大きさの比率が合わないことによる隙間不足のため、いかに歯を並べるスペースを確保するかが治療のポイントになります。
永久歯に生え変わってからスペースを確保するには、「歯を抜く」「後方の奥歯をさらに奥に動かす」「歯を細くする」などの少々大掛かりな処置が必要になりますが、混合歯列期であれば、歯並びのアーチを拡大したり、第一大臼歯(6歳臼歯)を後方に引っ張ってスペースを確保することが可能です。
そのため、お子様の歯列矯正の理想的な開始時期は、乳歯と永久歯の生え代わり時期でもある6~10歳の混合歯列期といえます。
現在、当院には数多くの歯列矯正のご相談をいただいています。
小松歯科医院では、矯正専門医が診療を担当させていただきます。
矯正の相談日を設けておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談・お問い合わせください。
歯並びの種類
叢生・乱杭歯(ガタガタ、八重歯、でこぼこ)
歯が重なって生えてしまうことで、歯並びが凸凹になっている状態を「叢生(そうせい)」といい、乱杭歯(らんぐいば)や八重歯(やえば)も叢生の一種です。
歯並びが凸凹していると見た目の問題もありますが、歯の健康を失いやすいという問題があります。
上愕前突(出っ歯)
出っ歯は「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」といいます。
下の前歯と比べて上の前歯の数本が前に突き出ていたり、上顎と下顎の大きさのバランスが整っていないことによって、見た目の問題や、食事が食べにくい、お口の中が乾きやすく虫歯や歯周病にかかりやすい、アゴに負担がかかり顎関節症になりやすいなど、様々なリスクがあります。
上顎前突(出っ歯・反っ歯)
空隙歯列・正中離開(すきっ歯)
すきっ歯は不正咬合の一種で、2本の前歯の間に隙間があいている状態を正中離開(せいちゅうりかい)、奥歯や歯列全体に隙間があいている状態を空隙歯列(くうげきしれつ)といいます。
比較的に前歯に隙間がある正中離開の方が多く、見た目の問題のほかに、前歯に隙間があいていることで発音がうまくできなかったり、食べ物が詰まって虫歯や歯周病になりやすいなど、様々なリスクがあります。
反対咬合・下顎前突(受け口、噛み合わせが反対)
通常の場合、噛み合わせは上の歯が下の歯に被さるようになっていますが、受け口は通常とは逆に、下の歯が上の歯に被さるように噛み合わさるため、反対咬合(はんたいこうごう)や下顎前突(かがくぜんとつ)と呼ばれています。受け口の場合、滑舌に問題がでやすいため会話に支障が出ることがあり、食事がうまく噛めなかったり、虫歯や歯周病にかかりやすくなるなど、様々なリスクがあります。
開咬(前歯が噛み合わない)
上下の前歯が噛み合わず、口を閉じられない状態を開咬(かいこう)といいます。
開咬を放置しておくと、前歯でものを噛むことが出来ないため、アゴの関節や骨を痛めてしまったり、よく噛めないことで胃腸障害や嚥下障害になりやすくなったり、虫歯や歯周病になりやすいといった体調の面でのリスクがあります。また、発音に問題がでやすく滑舌も悪くなるため、会話に支障が出る場合があります。さらに、口が閉じられないという見た目が、心理的に影響を及ぼすことがあります。
過蓋咬合(噛み合わせが深すぎる)
通常の噛み合わせは、噛み合わせた状態で下の歯が2~3mm見えていますが、噛み合わせが深すぎると、下の歯がほぼ隠れた状態になってしまいます。この状態を過蓋咬合(かがいこうごう)といいます。
過蓋咬合の場合、歯や歯肉・アゴの関節に負担がかかるため、放置しておくと虫歯や歯周病、顎関節症など様々なリスクがあります。